カカオはどこでどれだけ作られている?FAOの統計では2024年は523万トン、コートジボワールが36%

原料の豆をどこから調達するかを考えるとき、まず押さえたいのは、カカオ豆がどの国でどれだけ作られているかです。国連食糧農業機関(FAO)の統計を全部の国について数え直すと、2024年の世界の生産量は約523万トンでした。そのうち36.1%を西アフリカのコートジボワール1国が作っています。上位5か国で7割を超える、かたよった作物です。
結論
- FAOの統計(2025年12月公開の版)では、2024年の世界のカカオ豆の生産量は523万3,245トン。地域別ではアフリカが65.4%、南北アメリカが20.6%、アジアが12.9%だった。
- 国別ではコートジボワール(36.1%)、インドネシア(12.1%)、ガーナ(10.1%)、エクアドル(7.7%)、ナイジェリア(6.7%)の順で、この5か国で72.7%。世界の生産量は2021年の577万トンから2023年に11%減った。
- 国際ココア機関(ICCO)は、2024/25年度の世界の生産量を473.3万トンと発表している。数え方(年の区切りなど)が違うため、FAOの数字とは一致しない。
01 どんな統計かどの統計を、どう数えた?
この記事の数字は、FAOの統計データベース(FAOSTAT)の作物生産の表から、品目「カカオ豆」の生産量・収穫面積・単位面積あたりの収量を全件取り出して集計したものです。各国の政府が報告した数字が中心で、一部は推計値です。
国連食糧農業機関(FAO) / FAOSTAT 作物・畜産物の生産(2025年12月公開の版、2026年10月20日に取得)[1]
2024年は57か国でカカオ豆の生産が記録されていた。世界の合計は523万3,245トンで、2000年(333万8,447トン)の約1.6倍、1961年(118万6,344トン)の約4.4倍だった。
対象: 1961〜2024年の各国のカカオ豆(乾燥豆)の生産量 / 限界: 2024年のガーナ・ナイジェリア・カメルーンの数字は、FAOが外部の機関から得た値の印が付いている。世界の合計は推計値を含む。
数字には、それがどう得られたかの印が付いています。たとえばコートジボワールとエクアドルの2024年の値は「公式の値」、ガーナは「外部の機関の値」、世界の収穫面積は「推計値」です[1]。国によって確かさが違うことは、覚えておく必要があります。
02 わかった数字どの国が、どれだけ作っている?
2024年は、コートジボワールが189万トンで1位。2000年からの伸びが大きいのはエクアドルで、約6.2倍になりました。ガーナはFAOSTATの値では2021年の105万トンから2024年に53万トンで、約半分です。ただし2024年のガーナの値は、FAOが外部の機関から得た値です。
| 国 | 2000年 | 2024年 | 世界の割合(2024年) |
|---|---|---|---|
| コートジボワール | 140.1万t | 189.0万t | 36.1% |
| インドネシア | 42.1万t | 63.3万t | 12.1% |
| ガーナ | 43.7万t | 53.0万t | 10.1% |
| エクアドル | 6.5万t | 40.4万t | 7.7% |
| ナイジェリア | 33.8万t | 35.0万t | 6.7% |
| カメルーン | 12.3万t | 32.0万t | 6.1% |
| ブラジル | 19.7万t | 29.8万t | 5.7% |
| ペルー | 2.5万t | 15.7万t | 3.0% |
| 世界 | 333.8万t | 523.3万t | 100% |
FAOSTATの作物生産の表から集計(2026年10月20日取得)。ガーナ・ナイジェリア・カメルーンの2024年の値は、FAOが外部の機関から得た値。割合は世界の合計に対する値。
減った年 世界の生産量は2021年の577万1,233トンが最も多く、2023年には512万3,486トンと11%減りました[1]。コートジボワールは2022年の235万9,000トンから2023年に182万2,000トンへ23%減り、ガーナは、FAOSTATの値(2024年は外部の機関から得た値)では2021年の104万7,000トンから2024年の53万トンになっています。2024年の世界は523万トンと、少し戻りました。
もう1つの統計 国際ココア機関(ICCO)は、10月から翌年9月までを1年度として数えています。2026年の四半期統計の発表では、2024/25年度の世界の生産量は前年度より8.5%増えて473.3万トン、豆をすりつぶした量(加工に回った量)は3.3%減って464.9万トンでした[2]。年度末の在庫は130.9万トン、生産と加工の差は3.7万トンの余りと推計されています。FAOとICCOでは、年の区切りも集め方も違うため、数字を直接比べることはできません。
なぜ西アフリカに集まっているか WesselとQuist-Wesselの総説(2015)は、西アフリカの生産の伸びは主に森を切り開いて畑を広げたことによるもので、これからは収量を上げるしかないと整理しています[3]。収量が低い理由には、病気と害虫、木の老化、土の養分の不足が挙げられています。小さな農家が肥料などを買えるほどの収入がないことも、課題とされています。
03 開発への使い方生産の数字を、原料の選び方と表示にどう生かす?
生産が少数の国に集まり、年によって大きく減ることを前提に、産地を切り替えても味を保てるかを試作と官能評価で確かめておくことです。産地を表示するなら、その豆を続けて確保できるかも考えます。
配合: 1つの産地に頼る配合は、代わりの豆も試しておく
上位5か国で世界の72.7%を作り、2021年から2023年に世界の生産は11%、コートジボワールは2022年から2023年に23%減りました[1]。主な産地の豆が手に入りにくくなったときに備え、別の産地の豆で同じ配合を試作し、どこまで味が近づくかを見ておきます。産地で味が分かれる研究は産地や品種でチョコの味は変わる?にあります。
目安 主な産地1つにつき、代わりの豆1〜2種類
評価: 産地を切り替えるときは、名前を伏せて基準品と比べる
産地の表示を見ると期待が変わることがあるので(産地の表示を見るとチョコはおいしく感じる?)、切り替えの評価では産地名を伏せ、番号を付けた試料を基準品と並べます。苦み・酸味・香りの強さを訓練したパネルで付け、差がどこに出るかを記録します。
目安 切り替えのたびに、基準品と並べて評価
表示・品質管理: 産地の表示と、統計の数字の書き方
産地を表示する製品は、その産地の豆が減った年にも同じ表示で出し続けられるかを考えておきます。生産量の数字を商品説明などに使うなら、FAOとICCOでは年の区切りと集め方が違い、数字が一致しないこと[1][2]、一部の国の値は外部の機関から得た値であることを添えます。産地の表示のきまりは、この記事では原典を確かめていません。
目安 統計は版と取得日を書いて引用する
統計は国全体の生産量で、自社が買える豆の量・品質・値段とは別のものなので、調達の判断では取引先の情報と合わせて使います。花や果物の香りといわれる豆の話はチョコに果物や花の香りがするのは本当?へ。
04 まだわからないことこの統計で、わからないことは?
統計は「どれだけ作られたか」までで、品質や味、作り手の暮らしまではわかりません。国によって数字の確かさにも差があります。
- ガーナ・ナイジェリア・カメルーンの近年の値は外部の機関から得た値で、各国の公式の値ではありません。
- FAOとICCOの数字の差を、年の区切りの違いだけで説明できるかは確かめられていません。
- 花や果物の香りが強いとされる上質な豆が、生産量のうちどれだけかは、この統計からはわかりません。
- 日本がどの国からどれだけ輸入しているかは、この記事では調べていません。
- 統計は国全体の生産量で、品質のよい豆がどれだけ買えるか、値段がどう動くかはわかりません。
05よくある質問
カカオの生産量が一番多い国はどこ?
FAOの統計では、2024年はコートジボワールが189万442トンで1位で、世界の36.1%でした。2位はインドネシア(12.1%)、3位はガーナ(10.1%)です。
世界のカカオの生産量はどれくらい?
FAOの統計では、2024年は523万3,245トンでした。2021年の577万トンが最も多く、2023年には11%減りました。国際ココア機関は、10月からの1年度で数えて、2024/25年度を473.3万トンと発表しています。
カカオはなぜ西アフリカに多い?
WesselとQuist-Wesselの総説(2015)は、西アフリカの生産の伸びは主に森を開いて畑を広げたことによると整理しています。病気・木の老化・土の養分の不足で収量は低く、これからは収量を上げることが課題とされています。
出典
- FAO (2025). FAOSTAT: Crops and livestock products (Production_Crops_Livestock, Item: Cocoa beans). Food and Agriculture Organization of the United Nations. 2026年10月20日取得。 https://www.fao.org/faostat/en/#data/QCL
- International Cocoa Organization (2026). August 2026 Quarterly Bulletin of Cocoa Statistics(発表ページ). https://www.icco.org/august-2026-quarterly-bulletin-of-cocoa-statistics/
- Wessel M, Quist-Wessel PMF (2015). Cocoa production in West Africa, a review and analysis of recent developments. NJAS – Wageningen Journal of Life Sciences, 74–75, 1–7. https://doi.org/10.1016/j.njas.2015.09.001


